「食材を活かす」とは、その食材を「らしい」かたちにする作業。
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日記
蕨(わらび)。
とりあえず漢字がかっこいい。
春の山菜で、2から3月にかけて器の絵付けや、お菓子の焼き印に登場する。
この、こうべを垂れた形が日本人好みなのかもしれない。
漢字に似つかず可愛らしい雰囲気。
アクを抜いたり、食感を残しつつ色を出す下処理が難しい。
下処理のやり方もさることながら、食材自身のポテンシャルにも、色の出はかなり左右される気がする。
全てがばちっとはまると、こんなにも綺麗な色に。あえて、エフェクトかけずにそのままの写真で。
「らしさ」には色、形、食感、香り、味と色んな要素がある。
例えば春の山菜だと、「ああ、これこれ!この苦味がたまらないよな」と。
その食材を一番、「食べた!」と思わせる。
しかし、その食材の「らしい」かたちは、必ずしも自然(天然)そのもののかたちと同じではない。
蕨も森に生えている時の色は、上の写真の蕨の色と全く違う。
「らしさ」は、料理人のセンス・解釈で創りだされるものだと思う。
だからこそ、料理人が作る料理は一人ひとり違うし、食材の活かし方も異なる。
どれだけ、春の山菜の苦味を生かすのか、消すのか。
今回は、この食材の甘味を活かそうとか、どんな食感で出そうとか。
最近自分の中で、この食材はこうあるべきだというこだわりが出てきた気がする。
僕の、一つ一つの食材の「らしさ」が出来上がってきたのかもしれない。
瞭
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