おもてなしがサービスになる時
公開日:
:
最終更新日:2015/01/13
日記
昨年末、おもてなしについて書いたブログ(「おもてなし」は、誰かを思ってすること。)で、サービスとおもてなしの違いについて触れた。
おもてなしを学ぶ、自分のおもてなしの幅を広げるための有効な方法として、ケースを共有するということがあると思う。
どんな場面でどのようなことをした時に、お客様に喜ばれたのか。
経験知を共有する。
おもてなしがサービスになる時
その時その時、誰かのことを思ってしたおもてなしの経験(=暗黙知)も次第にパターン化され、マニュアルに落とし込まれてサービスになる。
例えば、寒い日にお店にお越し下さった方に、まず暖かいお茶をお出しする。
きっと一番初めは、「寒いところお越し下さったのだから、体が冷えておられるに違いない。暖かいお茶で温まっていただこう」と考えて暖かいお茶をお出ししたに違いない。
しかしそのうち、寒い日は暖かいお茶を出す、冬は暖かいお茶を出す、何月から何月までは暖かいお茶というように、マニュアル化される。
一番始めにおしぼりを出すのだって、誰かがお客様のことを思ってし始めたこと。
でもその理由はそっち退けで、とりあえずお客様が来られたらおしぼりを出すというマニュアルになってはいないだろうか。
その行為には心がこもっていない。
それは一連の流れに組み込まれ、誰に対しても行われるサービスとなる。
だから、自分のおもてなしの幅は常に広げ続けないといけないのではないかと思った。
常におもてなしについて考え、日々新しいおもてなしを行う。
自分のすること全てが、サービスとならないように。
サービスがおもてなしになる時
しかし逆に、サービスはおもてなしにもなりうる。
マニュアルにあるサービスであっても、やり方次第で、心を込めればおもてなしになる。
料理を運んだ後に言う、「ごゆっくりどうぞ」というフレーズ。
全く違うところを見ながら、他の仕事をしながら言うのと、しっかり目を見て時間を使って言うのとでは印象が全く違う。
後者だと、心がこもっているな、素敵なおもてなしだなと思う(僕が実際に牛丼屋さんで感じたこと)。
便宜上分けているけれど、正直「おもてなし」と「サービス」の言葉の違いなどどうでも良い。
重要なのは心がこもっているか、ということだと思う。
そして、なぜそのようにするのかという理由を知っていること。
決められているから誰にでもするのではなく、必要なときに必要なことを心を込めてする。
さてそれを、自分はできているのか?
何十年か後も、続けているか?
(そろそろ梅の季節かな)
瞭
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